禅とコーチング

先日、久遠山成道寺の住職をお招きして『禅とコーチング』と題してワークショップ を開催しました。

コーチングが禅とどう結びつくのかと思われるかもしれませんが、自分自身を見つめるセルフコーチングに繋がるものがあるように思えます。

『禅(ぜん)』、『禅宗(ぜんしゅう)』は仏教の一派で、主な流れに曹洞宗(そうとうしゅう)と臨済宗(りんざいしゅう)があります。

有名なダルマ(達磨)さんが 始祖と言われています。

茶道、書道、剣道、弓道など『道』と名の付くものには、禅の影響を受けているものが多いと言われます。

禅では、頭で何かを考えたりするのは 雑念であって、断ち切るべきものとされます。

自分が、自分がという執着を断つこと、物事を頭でわかったつもりになるのをやめることが、 禅の目的ということになるでしょうか。

住職から 何故、私たちは瞑想をするのでしょうか?と問いかけられました。

それは『人間だから』です。
私たち人間は、『自分で自分を苦しめてしまうことがあるから』と言います。


生の本質は『無常』にあります。

無常(むじょう)は、この現象世界のすべてのものは生滅して、とどまることなく常に変移しているということを指します。

私たちはどんなことをしても結局『無』に帰してしまいます。

人間は必ず『死』を迎えるからです。
人生には『楽』と『苦』、そして『不苦不楽』が あります。

『楽』は欲望であり、『苦』は、怒りまたは拒絶です。
『不苦不楽』とは、楽でも苦でもない。

つまらないと思っているものをすべてここに入れてしまいます。

今、経験していることを無視してしまうことを 『無知』と言います。

今経験していることを無視するということは、今を生きていることを否定することです。

本当の自分と向き合うことができなくなってしまいます。
だから私たちは瞑想をするのです。

瞑想は、結果を求めないことで結果を得る ことができます。

瞑想の効能は、 マインドフルネスにあります。
マインドフルネスは、 自分の身体や気持ちの状態に気づくための 『こころのエクササイズ』です。

マイナス思考の改善など、感情をコントロールする能力が高まることで、ストレス対処法の1つとして
医療や教育現場で実践されています。

マインドフルネスとは、今の自分に気づき、現実をあるがままに受け入れることです。

マインドフルネスを実施すると、感情や物事に とらわれている自分を開放することができます。

私たちは、悪いことを考えると、悪いことを考えやすい頭になります。

自分はダメな人間だと思っている自分がいることに気づくことです。

瞑想の目的は、ガッツを鍛えることにあるとも言います。
瞑想によって我慢していることに気づくことです。

終わりのある人生をどう生きるかと考えると、大抵のことは乗り越えられます。
ほんの些細なことがキラキラに見えます。

苦をベースに生きていると、大抵のことが幸せに感じられます。

いつか私たちは死んでしまうことに気づくことは、今を生きることの価値を見つけることに通じます。

瞑想のやり方は、呼吸を観察することにあります。
調息、調身、調心です。
呼吸と身体の姿勢を整えることで心が整います。

何をやっているんだと空しく感じる自分、ムカついている自分に気づくことです。

心は泥の入ったコップです。

皆さんはいつもかき混ぜていませんか?
そっとしておくと澄んできます。

ゆっくりと動作をすることを心がけましょう。
例えば、朝起きた時に、寝間着を丁寧に畳むようにします。

物を整えることから始めます。
何かを始めると続けようとします。

整えた自分を継続することにつながります。
環境は心の表れでもあります。
心は環境によって影響を受けるからです。


住職の言葉一つ一つに感じることが多く、静かに自分を見つめるひと時となりました。

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